契約社員の雇止め、打ち切り、解雇で違法と言われないために
契約社員における契約延長、雇止め、解雇、打ち切りの選択肢
契約社員を雇用する会社において、契約の解雇や雇止め、打ち切りといった選択をする場合は、違法ではない決断や対応を行う必要があります。
こうしたポイントを知らずに「従業員数が増えたから」とか「会社での勤務態度が悪いから」といった理由で解雇などを行うと、元従業員からの訴えにより労使間トラブルに発展することもあるため、注意をしてください。
契約社員は契約期間途中での解雇ができない
契約社員を中心とした有期労働契約は、雇用時に契約期間の約束をするという考え方となります。
そのため、契約社員の契約期間途中の解雇や打ち切りについては、期間的な定めのない正社員などと比べて遥かにハードルが高いと捉えてください。
しかし労働契約法第17条1項においては、期間途中で解雇できる条件として「やむを得ない事由」を設けています。
例えば会社が倒産することになった場合は、契約期間の定まっている契約社員の解雇も可能となりますが、それ以外の事業主の勝手な都合とも言える事由についてはその大半が認められないと思った方が良さそうです。
契約期間中の解雇で契約社員とトラブルにならないために
「一定の間はこの仕事を続けられる」といった契約期間のある契約社員を期間中に解雇する場合は、残りの期間における賃金や休業手当の請求が生じるリスクも考えなければなりません。
前述の労働契約法・第17条で定めたとおり会社が倒産などに追い込まれた場合は解雇も仕方のない選択と言えますが、ある程度のリスクを想定した上で弁護士への相談や対応を考えることも必要だと言えそうです。
雇止めについても注意が必要
有期労働契約となる契約社員においては、労働契約法・第16条で定められた「解雇権濫用の法理が適用されるか?」といった部分にも注意が必要です。
例えば、契約における通算期間が3年以上の契約社員については、解雇権濫用法理の適用となるリスクが高くなります。
こうした状況によるトラブルを回避するためには、更新毎にきちんと面談を行ったり、その度に当該従業員との労働契約書の締結が必要となりますので、「もう3年目だから」といったルーズな対応をするのではなく、1年ごとに慎重に手続きを進めるようにしてください。
また雇止めによるトラブルを防ぐためには、各種手続きや契約書の内容といった部分も含めて労働基準法や労働契約法に詳しい弁護士に相談をしておいても良いでしょう。