フレックスタイムと時間外労働の考え方
フレックスタイム制とは?
1ヵ月間といった一定期間の総労働時間を決めておき、その範囲内で従業員が自ら始業・終業時刻を決めて働くことを、フレックスタイム制と呼びます。
フレックスタイム制を導入する場合は、1日の中で必ず労働しなければならないコアタイムと、いつ出勤・退勤しても良いフレックスタイムを決めた上で、始業および終業時刻を従業員に委ねる形となるのです。
この制度の活用は、労働者がそれぞれのペースで研究が開発を行なっていて、日によって労働時間が大きく変わってくる業態に適しているケースが多いです。
これに対して、従業員全員で朝礼を毎日行なったり、お客様対応を行う時間帯を8時~17時といった形で勤務時間と合わせている会社については、フレックスタイム制の導入は厳しいと言えるでしょう。
フレックスタイム内に会議などの設定をすることはできる?
会社に雇われている従業員が自分の業務に対して職務専念義務や誠実勤務義務を担っていると考えれば、会社側で定めた会議についても自主的に参加するのが理想と考えられます。
もしフレックスタイム制の対象となる従業員が、「フレックス時間内の会議だから」といった理由で会議時刻に遅れることが度重なった場合は、会社側できちんと指導を行なった上で懲戒処分の対象にできる可能性も出てきます。
またフレックス時間内だからと言って顧客対応業務に支障を生じさせた場合についても、「会社の信用を損なわせる行動」とか「会社に損害を与えた」といった考え方により、懲戒処分にできるケースが多いようです。
フレックスタイムと時間外労働について
従業員の自主管理に委ねるフレックスタイム制を導入していても、残業を連日行うことが当たり前になってしまうと、この制度を利用する意味がなくなります。
また残業や深夜残業の時間が増えれば、会社側ではそれだけ多くの割増賃金を支払う必要が出てきますので、当該従業員がフレックスタイム制だからといって会社側の勤怠管理は不要といった考えはNGと捉えてください。
この他にフレックスタイム制の対象となる従業員が法定休日に働いた場合については、通常と同じ考え方で振替休日を与えることができます。
振替休日なしで法定休日に仕事をした場合は、月間の総労働時間の賃金支払いに35%の割増賃金がプラスされる形となりますので、給与計算時には注意をしてください。