パートタイマーやアルバイトに有給休暇を認めないことは正当と言えますか?
目次
パートタイマーに年次有給休暇を認めない会社
パートやアルバイトに有給休暇の取得を認めない会社は、労働基準法に違反していると考えられます。
しかしこうした実態を生み出す経営者の中には、パートタイマーから有給休暇の申請が遭った時に「ウチの会社は正社員だけにしか有給を与えていない」といった正当性を主張をする人も多く存在するのです。
では、この事例のように事業主自ら新しいルールを作れば、パートタイマーの有給休暇取得を認めないことはできるのでしょうか?
有給休暇の付与条件と雇用形態は関係ない
就業規則の中で年次有給休暇に関する内容を記載する際には、年次有給休暇が雇用形態と関係なく付与すべき存在であることを頭に入れておく必要があります。
例えば、同時期に入社した正社員とパートタイマーが、同じ出勤日と時間数で働いていたと仮定します。
このケースで雇入れから6ヵ月経ったタイミングで正社員に年次有給休暇の付与を行う場合は、同期入社とも言えるパートタイマーにもその要件が該当する可能性が高いのです。
有給休暇の付与条件が異なるパートタイマーの存在
しかしパートタイマーに年次有給休暇の付与を行う際には、1週間の所定労働時間と所定労働日数について下記のチェックをする必要があります。
・週の所定労働時間が30時間未満
・週の所定労働日数が4日以下
上記の2条件についてどちらか一方を満たすパートタイマーについては、正社員と同じ6ヵ月で10日間の年次有給休暇が発生する仕組みとなります。
これに対して上記2条件の両方を満たすパートタイマーの場合は、「10日×週の所定労働日数÷5.2日」で計算された日数のみ、入社から6ヵ月で比例付与される形となっています。
パートタイマーに年次有給休暇を与えないことで生じる問題
「パートタイマーだから」といった理由で年次有給休暇を付与しないと、その状況を不満に感じた従業員が労働基準監督署に通報する可能性が出てきます。
またこうしたトラブルが何度も起こると、サービス残業などを含めた他の不正についても通報の対象とされやすくなりますので、注意をしてください。
正社員と比べてパートタイマーの年次有給休暇は軽視されやすい存在となりますが、労働基準法違反で通報されるトラブルを避けるためには、早めに社内体制を整えるなどの正当な取り組みが必要になると言えるでしょう。