大企業中高年正社員が大反対!解雇の金銭解決制度の特徴と反対理由
目次
解雇の金銭解決制度はどうして問題なの?
大企業で働く中高年正社員の中には、今話題の解雇の金銭解決制度について猛反対をする方々が非常に多く見受けられます。
特にこの制度による悪循環が生じやすい製造業などでは、批判的な意見がとてもたくさんあるようです。
今回は、解雇による労使間トラブルで金銭解決制度を利用するデメリットやリスクについて徹底解説していきます。
解雇の金銭解決制度とは何ですか?
解雇という形で会社をやめさせられた従業員の抱く不満や労使間トラブルをお金で解決しようとする新たな制度を、解雇の金銭解決制度と呼びます。
2017年の夏に法改正に向けた議論がスタートしたこの制度は、解雇された従業員が職場復帰を求めていない場合においても、解決金の支払いを企業側に要求可能な権利を与える少し特殊な内容です。
解雇の金銭解決制度が問題である理由1 支払い能力の問題
こうした制度の導入によって解雇された側が簡単に解決金の支払いを求められるようになると、資金力の低い企業にとって経営面での支障が生じる可能性が高まります。
また支払い能力の低い企業は当然、従業員の解雇も難しくなりますので、その結果として問題行動を起こす悪質なスタッフをやめさせられない状況に陥るリスクも高まるのです。
解雇の金銭解決制度が問題である理由2 リストラ・離職者が増える
労働者側の指摘の中には、この解決金をリストラの手段として使う企業の増加に関する懸念がでています。
それなりに資金力の高い企業であれば、解決金を使ってリストラを行い、また新たな人材をどんどん採用するということができるかもしれません。
しかしこうしたことを繰り返されると、人材の定着率が著しく下がってしまうため、結果として社会に仕事に就いていないニートや離職者が増えるリスクも高まると言われているのです。
解雇の金銭解決制度が問題である理由3 製造業が維持できなくなる
この制度によって人材の流動化が著しくなると、日本の製造業を支えてきた年功序列や終身雇用といった制度が崩壊します。
また解決金を目的に解雇を求める若者が増えれば、日本の伝統工芸などを支える職人なども育ちにくい状況が生まれてしまうのです。
現段階で議論の最中となるこの制度は、今後新たな進展があると言われていますが、「解雇をお金で解決する」という方法の悪用が増えれば社会全体に悪循環が生まれることもあると言えそうです。