有給休暇の付与日数における基本2大ルールを知っていますか?
有給休暇付与日数には基本2大ルールがある
年次有給休暇の付与日数には、労働基準法にもとづく2大ルールがあります。スタッフの有給休暇を管理監督する事業主の皆さんがこのルールを知らないままでいると、想定外の申請や問い合わせに上手く対応できなくなる可能性も出てきます。またイレギュラーケースとも言える有給休暇の取得申請は、通院や家の用事といった切羽詰まった理由によるものがほとんどとなりますので、そういった従業員から生じる申請や質問にきちんと応えるためにも、これから紹介する2大ルールを頭に入れておくようにしてください。
有給休暇の付与日数はどうやって決まるの?
年次有給休暇は、雇入れから6ヶ月経過したタイミングで最初の付与が行われる仕組みとなっています。この6ヶ月をクリアした従業員には、その後1年が経過する度に有給休暇が付与される形となっているのです。ちなみに労働基準法で定める付与日数は、勤続年数6ヶ月以上で10日、1ヶ月6ヶ月以上の勤続で11日、6年6ヶ月を過ぎると最大日数の20日という形になっています。
有給休暇には消滅時効がある
従業員に支給した年次有給休暇は、2年で請求権が消滅します。そのため、例えば6年6ヶ月以上を勤続した従業員が年次有給休暇の消化を1日も行えなかった場合は、付与された20日間分が翌年に繰り越されることで最大40日の有給休暇を取得できる計算になるのです。たった1年で40日間の有給休暇消化をするのは現実的ではありませんが、理論上が十分に可能と捉えて良いでしょう。
年次有給休暇の付与には出勤率も大きく関係する
年次有給休暇の継続勤務年数をカウントするためには、出勤日/全労働日の式で計算する「出勤日が8割以上か?」という条件も必要となります。例えば、従業員が重いインフルエンザにかかって月間22日出勤予定のうち10日を休んだ場合は、出勤率が55%を下回ることで、継続勤務年数の加算ができなくなるのです。しかしこの計算をする際には、育児休暇や有給休暇の取得日、労災によるケガや病気で休んだ期間などは「出勤したもの」として扱う形となりますので、労働基準法で定める出勤日の考え方は、きちんと頭に入れておくようにしてください。
まとめ
年次有給休暇の付与日数は、雇入れからの月数や出勤率によって変わってくるものです。便利な人事管理ソフトが増えた今の時代は、こういった計算や判断についても、パソコンを使って簡単に行えるようになっています。しかし従業員から問い合わせがあった場合は、事業主自ら判断や返答を行なう必要がありますので、万が一の備えとして年次有給休暇に関する基本ルールを頭に入れておいても良いでしょう。