盆休みに有給休暇をあてることは可能でしょうか?
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盆休みに有給休暇をあてるのは問題あり?なし?
飲食店や小売業などの職場では、多くの人がお墓参りや帰省に利用するお盆休みが一切なく、年次有給休暇での対応を求められるケースが非常に多く見受けられます。こういった職場で働いたことが一度もなく、今まできちんとお盆休みを会社から支給されていた人からすると「盆休みに年次有給休暇を使うのは労働基準法違反ではないのか?」といった不満や疑問が生じることもあるようです。今回は、盆休みを一切作らず、会社を休みたい従業員に対して有給休暇の消化を推奨する事業主の皆さんと一緒に、この対応の是非に付いて考えていきたいと思います。
休日ルールは就業規則の中で決められるもの
盆休みを含めた休日ルールは、各会社の事業主が就業規則の中で定めるものです。そのため、お盆期間中が繁忙期という理由で盆休みを一切設けず、従業員に用事があった場合に年次有給休暇で対応してもらっても、労働基準法上の問題は全くないのです。業務が忙しくなる時期は各社大きく異なる形となりますので、お盆や年末年始などの休暇ルールについては従業員の負担にならない範囲で就業規則の中で定めるべきだと言えるでしょう。
盆休みを年次有給休暇で対応してもらうことで生じやすい問題
お盆や年次有給休暇といったお休みに関して労使間トラブルが生じる場合は、就業規則の中でその基本ルールが明確でない可能性が考えられます。またこれまで全く異なる業種で働いてきた人の場合は、サービス業ならではとも言えるお盆休みの出勤なども理解し難い実情がありますので、スタッフの全てが自由に確認できる就業規則の中で社内の休暇システムについてわかりやすく記載することも必要だと言えるでしょう。
盆休みを年次有給休暇で対応することで質問や訴えを受けた場合は?
今回紹介した盆休みの対応は、基本的に会社側に問題は一切ないと捉えられる内容です。しかし就業規則や雇用契約書の内容によっては従業員に疑問や不安を与える可能性もありますので、何らかの質問などが上がってきた場合は、その内容をきちんとヒアリングした上で各種規程に反映する配慮も必要になると言えるでしょう。また休暇に関する不平不満が大きい場合は、従業員の多くに負担がかかっているとも捉えられますので、社内環境を整える目的で労働基準法に詳しい弁護士に相談をしてみても良いでしょう。