有給休暇の取得に理由は要らないって本当ですか?
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有給休暇の申請に取得理由は必要なのでしょうか?
労働者の権利である有給休暇の取得申請には、基本的に理由は必要ありません。申請用紙に理由が書かれていないからといって申請却下や賞与査定などの際に評価を下げると、逆に事業主が労働基準法違反で訴えられることもあるため、注意が必要です。また多くの労働者が使用する「私用のため」といったアバウトな理由が書かれていた場合も、その内容について強制的に言わせることは基本的にNGだと言えるでしょう。
社会常識で考えれば有給休暇の取得理由は必要
労働基準法の観点では「無くても良い」と判断される有給休暇の取得理由にも、社会的常識で考えれば「あった方が良い」という意見も多く存在します。例えばひとつのチームで同じプロジェクトの作業を忙しく進めている真っ最中に、同僚やチームリーダーに理由を告げずに有給休暇を取得するのは「周囲への配慮に欠ける行動」だと言えるでしょう。また子供や両親の介護や送り迎えといった定期的に有給休暇の必要となる理由と抱えている場合は、その旨をチームリーダーなどに伝えておいた方が周囲との調整もしやすくなると言えそうです。
有給休暇の理由から従業員の抱えている悩みや問題を把握することもできる
従業員が有給休暇を取得する理由が、リフレッシュや用事などの単純な内容であれば、特に問題はありません。これに対して今まで滅多に会社を休まなかった従業員に「通院のため」と書かれた有給休暇申請が増えた場合は、本人が抱えている作業への影響を最小限に抑えるためにも、体調不良などに関する質問をしてみても良いでしょう。こうした形で上司や事業主が早めに行動を起こすと、本人が抱えている仕事上の悩みやトラブル、体調不良などのフォローがしやすくなり、会社にとってもさまざまなリスクを回避できるようになります。
適度なコミュニケーションが労使間トラブルの予防に繋がる
申請する上で必要がないと判断される有給休暇の取得理由も、普段のコミュニケーションの中で相手への配慮として軽く尋ねる分には問題はないと言えそうです。これに対して強制的にその理由を話させようとすることは、場合によってはパワハラと捉えられることもありますので、注意をするようにしてください。